長押のある和室
以前の日本の和室には長押というものがありました。この長押というのは、柱を固定するための構造材だったのですが、建築技術の発達に伴い徐々に装飾として用いられるようになったのです。そして最近では住宅の洋風化が進んでいき、和室が一室もない住宅も増えてきました。
そして和室を設けたとしても昔ながらの純和風の和室ではなく、モダンなスタイリッシュな和室が増えてきました。その結果、和風テイストを強める長押は取り入れられなくなってきたのです。私の実家の和室には長押があります。この長押を洋服掛けとして活用しています。私の実家のように長押を洋服掛けとして利用している家庭も多いのではないでしょうか。
私は結婚をし、最近新築住宅を購入しました。この住宅に設けた和室には長押がありません。しかし実家の和室に慣れていた私は、長押が便利な洋服掛けになることを知っているだけに、長押のない和室はどこか不便さを感じていました。そこで我が家の和室には一部分に長押を設けました。壁に取り付けられる長押は、デザイン性も高く、壁に大きな傷をつけることもないのです。これは、お客様用の上着掛けとして活用させる予定です。またいつも着用する上着をここに一時置きすることもできるので、帰宅時はリビングに上着が散らかることも減りますし、外出時は二階のクローゼットまで上着を取りに行く手間が省けます。変化してきた和の空間ですが、昔からあるものの魅力を部分的に取り入れるのも一つの方法だと思います。