多様化する和室
住宅の洋風化が進み、和室が一室もないという家も珍しいことではなくなりました。和室を設けている家庭の中でも、昔ながらの純和風の和室を設けるよりは、いかに洋風の空間に馴染み、違和感がないような和室にするかというのが和室のテーマの一つでもあると思います。それには和室を設ける位置が変化しているからです。
今までは玄関近くに独立型の和室が設けられることが多かったです。客間として利用していました。しかし最近では、客間を設けても利用する機会がほとんどないという家庭が多く、リビングと一体型の和室が設けられることが多いのです。普段は建具で仕切ることなくオープンにしておくことで、リビングにより広さや開放感を与えてくれます。
また和室をリビングの延長として利用できるため、普段使いできる便利な空間となるのです。いざという時は建具で区切って個室としても利用できるようにしておくと、より和室の使い勝手の良さが高められるのです。リビングと繋がった和室にすることで、洋風LDKと畳の和室が違和感なく存在するように配慮する人も多いのです。畳も琉球畳を取り入れ、モダンでスタイリッシュな空間にし、地窓を設けて明るさをプラスし、和室の印象を華やかにするのです。
和室に高さを設けて小上がりにするのもいいと思います。空間的な繋がりを大事にしつつ、高低差を付けることで空間にメリハリを付けられます。日本人なら畳のある空間をいつまでも大切にしたいものです。暮らしや住宅との雰囲気に合わせて自分達らしい和室を設けてみて下さい。